鹿児島県霧島市にある「ひより保育園」さんが企画された本です。「食べることは生きること」をテーマに掲げ、食育活動に取り組まれています。

自分と家族の、心と体が喜ぶごはんがつくれるようになることがゴールに据えられ、勘所を養う味見の大切さ、部分ではなく全体を意識することが仕事と作業の違いを生むと書かれています。

キャベツを切るにしても、例えば「1㎝くらいに切ってね」では、そこから先の風景が心に浮かびません。炒めものなのかサラダなのか、誰が食べるのかがイメージできなければ、作業で終わってしまいます。そう考えると、料理はとてもクリエイティブな営みですね。
食べているシーンを描く、そこに登場する料理を描く、材料を揃える、手順を描き作る、そしてイメージを持って盛り付け、食事をする。その食卓は愛する人たちと一緒であれば楽しく、一人であってもきっと豊か。

また、10工程のうちの3工程できることよりも、2工程の料理を一人で作って食べることができる方が、今日の命を支えることになる。一人で全部できたという達成感が次の興味の源になるという言葉に納得。

材料、下準備、作り方の手順、ポイントが、シンプルに紹介されていて、子どもにもわかりやすく作られています。代用できるものや、あればよいものといった表現に、「あるものでなんとかなる、どうにでもなるよ」というのが伝わってきて、置き換える力、ひらめく力、試してみる力に繋がると思いました。

たとえ失敗しても、それが思い出となり愛された記憶になる。子どもと過ごす人生のひとときを楽しむためのレシピ本、知恵がつまった、生きる知恵を身につけていく本だと思います。

開園間もないころ、ひより保育園さんにお邪魔させていただきました。給食の場面では、子どもたちが自分で自分の食事をよそい、こぼしたら自分で片付ける。その一つ一つの真剣な眼差しや、大事な食事をそろそろとていねいに運ぶ様子、それにしっかり目をかけていらっしゃる職員さんがとても素敵でした。
ひより保育園



★おまけ
今回、クラウドファンディングのリターンとして受け取った「ひより食堂へようこそ」の本と一緒に、燕三条で作られた子ども用の包丁が届いた。実によく切れる。これから孫と料理を作ること、一緒に食べることができると思うと、それだけでそわそわとうれしい。
ちなみに自慢ではないが、私は包丁を持つ時「猫の手」ができない 笑



「ひより食堂」へようこそ 小学校にあがるまでに身に付けたいお料理の基本
著:谷口 忍
著・監修:ふるかわ りさ
編集:高橋ひろみ
イラスト:スピッカート
写真:門田 剛
その他:ひより保育園
発行:そらのまち出版
初版:2019年9月10日