世界一つよい女の子、ピッピは9歳。
本名は、ピッピロッタ・タベルシナジナ・カーテンアケタ・ヤマノハッカ・エフライムノムスメ・ナガクツシタ。馬一頭持ち上げられるくらいの力持ち。
ピッピは、スエーデンの小さな町の外れの一軒家に、ニルソン氏という名前の猿と馬と暮らしています。そして隣に住んでいるトミーとアンニカという男の子と女の子と仲良くなります。
ある日、ピッピが後ろ向きに歩いていると、トミーが「きみ、なぜ、うしろむきにあるいていたの?」と尋ねます。すると、ピッピは「なぜ、うしろむきにあるいたか?・・・わたしたちの国は、自由な国じゃないこと?わたしが好きなようにあるいちゃ、いけないかしら?」と答えます。
また、別の日には、こどもの家に保護しようとしたおまわりさんが、「学校に行って、役に立つことを教わらないと、例えば掛け算九九なんかもね」と行った言葉に、「わたしは、竹さんの靴なんてものを知らなくったって、9年間ちゃんとやってきたわ、だからこれからだって、やっていけると思うわ」といておまわりさんと鬼ごっこが始まります。
火事で燃えている家の屋根裏部屋に、取り残されて泣いている小さい男の子。消防のはしご車も届かない高さで、誰も助けられずにいるところに通りかかったピッピは、「なぜ、助けてあげないの?」と言ったかと思うと、ロープと猿のニルソン氏を使って、あっという間に男の子を助け出します。
いつでも空想をたずさえ、思い立ったら行動し、誰にも媚びを売らず、おかしいと思えばそれを口にするピッピ。
どこまでが本当でどこからが嘘なのかわらない話。でも、それで問題なし!おそらく、ピッピは現実と空想の区別のない世界に生きているから。
不器用だけど、駆け引きのない優しさを持った女の子。
ピッピの言うことや行動が、まるで私の思いを代弁しているかのようで痛快です。
誰かに合わせたり、空気を読んだりする自分に気がついて、「しんどい」と思った時に、読み返したい本です。
★おまけ
子どもの頃、夢中で読んだピッピシリーズ。ピッピの世界は刺激的で自由でうらやましくてうらやましくて。
で、小学校高学年(だったと思う)の時、いとこの女の子当時3歳くらいをつれて小道を歩いている時、ふと、目をつむって歩いたら、危ない時小さな女の子は止まるのかな?と思ってやってみたら、道から二人で落っこちてしまいおばさんに叱られました><
著 | アストリッド・リンドグレーン |
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絵 | 桜井誠 |
訳 | 大塚勇三 |
出版 | 岩波書店 |
初版 | 1964年12月16日 |