ころころ・りりり
きち・きち・ばたたたた
かさこそ ぐいぐい
ぷくりん ぽこぽこ
エリック・カールの作品は、音が楽しい。「生きてる」音がする。
生まれたばかりのこおろぎぼうやのところへ、ばった、かまきり、あわふきむし、せみ、と次から次にやってきて、挨拶したり話しかけたり。
それがうれしくて、こおろぎは羽をこしこしして鳴こうとするけど、音が出ない。
まあ、それならしんみり黙っているのもいいものだなと思っているところに、女の子のこおろぎが……。
やってもやってもできなくて、自分の成長がもどかしい時もあるけど、ちょっと一息ついてみて。その「間」が自分の1mmの成長に繋がることもあれば、成長に気づけることもある。
他人の成長は早く見えるけど、育つって時間がかかる、いや、時間をかけるもんやと思う。
そして、その時はやってくるよ、予期せずきっと。
女の子に出会ったこおろぎぼうやは、もう、ぼうやではありません。
きれいな声でりりりりり。
音の仕掛けがうれしいね。
★おまけ
結婚して間もない頃、夫と喧嘩した。原因は覚えていない。
と、その夜、奴が部屋の中に突如として現れた。ヒェッ〜!!!!!コオロギ!!!!
私は虫が苦手。いつもなら夫を呼びどうにかしてもらうのだが、喧嘩している手前、助けてと言えず。ティッシュを数枚手にコオロギをどうにか捕まえようと追いかけ回すが、からかうかのようにあちらにそちらに。ふと振り返ると夫が含み笑い。
クッソーと思うが、コオロギは怖いし、涙は出るし><
最後は助けてもらったような記憶があるが、いまだに何かの折にその話をされる始末。とほほ。
著 | エリック・カール |
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訳 | 工藤直子 |
出版 | 偕成社 |
初版 | 1997年8月1日 |