パリの寄宿学校に暮らす12人の女の子たち。一番おちびさんはマドレーヌは、ねずみも動物園のとらもへっちゃら、スキーやスケートが得意な元気な女の子です。
寄宿舎では規則正しい生活が原則だけど、先生のミス・クラベルは何事にも驚かない寛容さ。
ある日散歩の途中で川にマドレーヌが落ちてしまいます。それを救ったのは一匹の犬。その犬を寄宿舎に連れて帰りますが犬の世話をしたい女の子たちは大騒動!ジュヌビエーブと名付けられた犬は、歌を歌い、一緒に散歩もする賢い犬で人気者になりました。
ところが、年に一度の評議委員の学校検査でジュヌビエーブは寄宿舎を追い出されてしまいます。評議委員が帰ったあと、ミス・クラベルに促されて街へジュヌビエーブを探しに出る女の子たち。はたしてジュヌビエーブは見つかるのでしょうか。
シンプルなタッチで描かれた女の子たちの子どもらしさ、飾らない日常として描かれたパリ風景、モンマルトル通り、ノートルダム寺院の前にかかっている石橋など、みどころいっぱいです。
子どもらしさを否定しないミス・クラベルのあり方、あたたかい眼差しが素敵です。パリに行ったら、大人になったマドレーヌに会えるようなそんな気がします。
★おまけ
フランス北西部の郷土料理ガレット。はじめてガレットを食べたのは、当時住んでいた街の隠れ家のようなBarのカウンターだった。私はガレットがどんなものか知らなくて、でも、きっとおしゃれな食べ物に違いないと期待して注文。出てきたものは・・・確かにおしゃれだった。しかし、私は卵が苦手なのだ^^;; 一緒にいた友人と思わず顔を見合わせて吹き出した。まあ、友人が大の卵好きなのでよかった。それにしても、ガレットはそば粉入りの生地を焼いたものだとマスターに聞いて、そばは日本だけのものだと思っていたので驚いたのだった。
それにしても、表紙の左側がやけに日に焼けてしまってる。息子、娘、そして孫。絵本っていいなとつくづく思う。
著 | ルドウィッヒ・ベーメルマンス(Ludwig Bemelmans) |
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訳 | 瀬田貞二 |
出版 | 福音館書店 |
初版 | 1973年5月10日 |