うさぎさんが椅子を作りました。そして、木陰に置き、横に「どうぞのいす」という立て札を立てました。

まずやってきたのは、どんぐりが入ったかごを背負ったろばさん。どうぞのいすを見つけてなんて親切なんだろうと、椅子にどんぐりのかごを置いて木陰でひとやすみ。そのまま昼寝をしてしまいます。

そこへ、はちみつを持ったくまさんが来て、どんぐりを全部食べてしまいます。でも、空っぽになっては後の人が気の毒だと、はちみつを置いていきます。その後も、きつねさんがパンをもって、りすたちが栗をもって入れ替わりやってきます。

そして、ろばさんが目が覚めた時、椅子のかごに入っていたのは「たくさんの栗」。どんぐりって栗の赤ちゃんだったかしら?と、なーーんにも知らないろばさんの、とぼけた勘違いにほっこりします。

「どうぞ」って、声に出してみてください。まあるくて心地いい響きだと思いませんか。求めることなく、求められることもなく、ただ、思いを次の誰かにおくることで、JOYがめぐりはじめるのかもしれませんね。



★おまけ
田舎に行くと、農産物などを無人で販売している棚が道端に置かれています。季節のくだものが置かれていると、なんだか「どうぞ」って言われている感じがしてつい買っちゃいます。



どうぞのいす
著:香山美子
絵:柿本幸造
発行:ひさかたチャイルド
初版:1981年11月1日