汽車でおじいちゃんの家に向かっていたリッキーとアンの兄妹は、線路の事故でさかさ町でひと時を過ごすことになります。
さかさ町では、すべてがさかさま。
料理は、デザートが一番先、デザートのケーキはさかさまで出てきます。子どもが働き、おとしよりが遊んでいます。一人前の仕事をすることで社会で大切なことを学んでいるのです。子どもたちは平日は働いているので、学校に行くのは休日だけです。
歴史の勉強は、普通私たちは昔から現代に向けて学びますが、さかさ町では、現代から過去へ遡っていきます。まず、今の自分たちの暮らしを学ばずして、見たこともない遠い時代のことが頭に入るわけがない、すべてにおいて、どうしてそうなったのかを先に知ってしまっていたら、驚きがないと。
また、学校には「わすれよ科」というのがあって、忘れるということは気づきで、いかに素晴らしいかについて教えます。ローラースケートで転んで怪我をしたらちょっと怖くなるけど、転んだことや怪我したことを忘れられたら?
いいものを作ったり、育てることが人生において、何よりの喜びだというさかさ町では、「もの」を手に入れるのにお金を払う必要はありません。「もの」だけではなくお金までもらえます。それはどういうこと?
あたりまえと思っていたことが、ある日ひっくり返ることがあります。角度をかえてみたら、気づくこと、すとんと腑に落ちることがあります。あたりまえや常識にとらわれない、「!な発見」できるかも。
★おまけ
さかさまといえば、むかーしむかし、まだハードコンタンクトレンズが片方2万円とか3万円していた頃、お椀型のレンズを、ポコンとひっくり返したらどうなるんだろうと思って我慢できずやってみたら、びりびりびりとヒビが入ってしまった。ぎゃー、親に言えない><
とりあえず、そーっと目に入れてみたら痛かった。
著 | F.エマーソン・アンドリュース |
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絵 | ルイス・スロボドキン |
訳 | 小宮 由 |
出版 | 岩波書店 |
初版 | 2015年12月18日 |