ことばのない絵本です。
年老いたバイオリン弾きが音楽を奏ではじめると、弦の先からさまざまな色や形の音が宙に解き放たれます。
形や絵を見ようとすると、花びら、月、太陽、山、海の中、土の中、涙、花火。にも見えるけど、ただ静かに心をすませば、あの時の情景とそこにあった音や、これから出会うであろう風景と音に包まれます。
メロディだったり、会話だったり、虫の鳴き声や、風の音かもしれません。きっとそれぞれ。
作者が講演会でこの題材を扱う時は、モーツァルトのバイオリンコンチェルト作品63の旋律をあわせるそうです。好きな音楽と聴きながら読むと、また違った感情が生まれます。
心をすますと、何が見えるでしょうか。
★おまけ
はじめてこの本を手にした時、私の中には寄せては返す波の音と一緒に、宇宙とすべての命がつながるイメージが広がりました。
もうすぐ2歳の孫は、ページをめくるたびに「きれいねぇ、おひさまかなぁ、やまだねぇ、さかなー、ピンクすきー……」と眼に映るままを言葉にします。「おばあちゃんはきいろにしよ」と言われました^^。彼女の心に広がってる風景や音をみてみたいなあ。
著 | エリック・カール |
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出版 | 偕成社 |
初版 | 1981年12月 |